2010/11/02

インド旅行記 7

【22nd】


朝食を済ませ、朝8時から授業が開始された。まだ頭痛と咳は残っていたが、子供たちには関係ないのと、子供たちからパワーをもらってなんとか乗り切った。

担当した生徒は、英語:Vijay 算数:Raju。

Vijayは賢く、英語の問題をどのように出そうか迷った。また、30分くらいすると飽きてしまい、授業に対する関心を継続させることの難しさを感じた。また、1時間の英語の授業が終わり、算数の時間。Rajuは4桁の計算まで出来る、ということだったので、繰り上がりの計算をとかせようと思った。ところが、0の意味や繰り上がりの意味、3桁と4桁の意味の違いが理解できなかったので、「ムスキール…(難しい)」を連発。「Hiro~ムスキール…」と、スタッフのHiroさんに助けを求めることしばしば。そこで、絆創膏の枚数を減らしていって、0ってどういうことなのかを説明し(1+0=10だと思っていた)、またどの桁がどの桁に対応しているのか下線を引き、同じような問題をたくさんだし、また出来たら毎回毎回褒めた。すると、Rajuは問題を解くのが楽しくなったらしく、もっともっと!と問題を解きたがった。宿題もたくさんほしい!と。解けると楽しいし、褒められると嬉しい。だから問題を解くことに対して関心が高くなるのだろう。途中「10時になったらランチタイムだから帰る!」と言っていたが、結局たくさんの問題をちゃんと授業終了の10:30まで解いた。次の授業もしっかり出た(こちらは英語でお手紙で、Rajuは乗り気にならなかった)。子供たちにとって、勉強することが楽しいと思えるような環境と対応が必要なのだと思う。だから入口は「楽しい!」から始まる必要があるのだろう。学校は楽しいから来たい、そう思えることが子供たちにとっていまは大切なのだ。でなければ、数ヶ月おきにしかこなかったり、数回きりになってしまったりする。Rajuも1ヶ月ぶりにきたらしい。金銭的に余裕が出来たり、学力的に追いつけるようになれば、近くにある公立学校に通うようになる子供もいるという。ただ、舞子さんのお話では、公立学校も最も安くて月100円かかるといい、月収5000~6000円の家庭が多いこの地域では払い続けるにはあまり月収が十分ではないという。当然だが、一筋縄ではいかない。ただ、子供たちにとって最低限英語やヒンディー語をならい、計算ができるようになれば、将来簡単な交渉や契約が出来るようになる。物の売り買い、リキシャーでの交渉、書類の授受が可能になれば、お金を稼ぐことが出来る。今教室に来ている子供たちは、もしかすると長く学校へ通うことは出来ないかもしれない。だが、子供たちが結婚して、子供が生まれれば、学ぶことの重要性を少しばかり教えることができるようになるかもしれない。学ぶことが大切だと感じられれば、ほんの僅か、次の世代の状況が明るくなるかもしれない。将来に希望を持ち、未来の選択肢が広がるかもしれない。見えない将来に、未来に希望を持つことは、今日この瞬間を生きる人にとってはとても容易なことではない。今日を生き、明日の朝が明けることを願う。だから、簡単には目に見えない教育を進め、継続させていくことは困難であり、しかし同時に、根気強く継続を促していくことで次の世代の選択肢と可能性を広げることが出来る。

教室に来る子供たちがいつか、結婚して子供を生んで、そしてその子供たちに、より生きた教育を受けられるように手を貸して上げられるような大人になってほしいと、強く強く願う。



さて、昼食を待つ間、schoolの教室横に間借りしている家族がいる。その子供たちの部屋に遊びに行って、一緒に白黒アニメテレビ(忍者ハットリ君!)を見たり、女の子にヘナを施してあげたり(初めてで要領が全く分からなかったが、お花を描いてあげた)、ハツカネズミを観察してみたり(たくさんいるので気になった)。昼食を食べに上に戻り、インドラーメン(100Rs)を食べた。

宿泊代、飲み物代、昼食代、オート代(一泊二日二食付350Rs/1人+30Rs+100Rs+75Rs)を支払い、スタッフの方々と話しをしたり、お掃除の女性の子供、ナジュラーナ(2~3歳?)と遊んだり写真を撮ったり。ナジュは本当にかわいい!絶対美人さんになる。

出発直前、花ちゃん(4年生、休学して世界一周中)が現る。とてもキレイな、かわいい女性。彼女の話も聞いてみたかったが、時間が無かったため連絡先を交換して、みんなで写真を撮って3時に、school前に呼んでもらったオートに乗り込んでBanaras駅に向かった。駅に早く着いたので、バザールを散策。思いのほか泥だらけの洋服が増えてしまったため、洗濯できず洋服が足りなくなり、Kurti(200Rs)を購入。そしてChaiを飲み、ブラッジャムーン(6Rs)という黒い丸い揚げパンをシロップに漬けたようなお菓子と、チョコレートバルピン(6Rs)というベースはミルクっぽい少しぽろぽろしたお菓子を買って食べみた。他にも気になったのがあったが、味見して好みではなかったのでその二つに。ただ、どちらも結局食べ切れなかった。インドのお菓子は異常なほどに激甘。相方も甘党だが、二人とも僅かにかじっただけで終わってしまった。

駅で電車待っていた。電車が着たので車両を確認しようと後ろから前まで確認したが…どうも乗り込むべき電車ではない。なぜなら全てSLクラスだからだ。おかしい。

そばにいたポーターに、これはKolkata行きか?と訊くと、「違う。Nextだ」と言われた。

そうか、では次を待つことにしよう、と思い、その辺の空いていた場所に新聞紙を敷いてインド人大家族の横に座って待っていた。もう片方の隣には、物乞いのおばあさんと見られる女性がいた。お金がほしいというジェスチャーをされたが、あげられない。先ほど買ったバルピン、食べ切れなかったのを持っていた。たぶん、私の座る新聞紙、後ろ側に置いたら彼女はそれを手に取って食べるだろう、と思った。あげるあげないを考えたわけではなく、ふとそう思い、置いた。予想の通り、横に目をやると、彼女はそれを食べていた。それに対して私はなんとも表現しがたいものが胸の中に起こった。「あ、やっぱり食べた」「私、何をしているのだろう」「美味しいかな」「手渡しすればよかったかな」「分かっていて後ろに置く行為は暗黙の了解のうちに差し出していることになるのかな」そしておばあさんは横になって寝始めた。

隣の大家族の子供二人、お姉ちゃんと弟。SabtaminagちゃんとRudbakshanag君。「Hi! What's your name?」とSabtaminagちゃんに話しかけられて、私のノートに二人してお絵かきを始めた。お家を描いたりハートマークを描いたり、弟は思いのまま何かを描いていた。枚数はたくさんあったので気にしていなかったが、お母さんがインクが無くなったり紙がなくなったりするのを気にしていた。始め何を気にしているのか分からなかったが、親戚かなにかのお姉ちゃんが英語で説明してくれた。その後は、子供たちがお母さんに注意されたので、弟は持っていたハヌマーンの人形を振り回して、「ハヌマーン!」と叫びながらきゃっきゃしていた。よって彼の愛称はハヌマーン少年(と、ハヌマーン少年とその家族)になった。だからハヌマーンは、思い出深い。笑

ところで、いつになったら電車が来るのだろう?と思うと、既に時間は2時間だか3時間だか経過。18時発が出発したのは22時だった。車内で寝るための支度をして、おなかがすいたのでクッキーとカロリーメイトと水を飲み、就寝。

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